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学科1
実技1
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学科3
実技3
学科4
実技4

     小学校における情報モラル育成教材の開発
−学校インターネット教習所の取り組みから−

 埼玉県熊谷市立籠原小学校 教諭 関根達郎(熊谷教育工学研究会)
 
3、「学校インターネット教習所」の講習内容
 
3年生(128名)を対象に2003年3月に実施した「インターネット教習所」における
講習(学習)は以下のように展開した。学科4回、実技4回の合計8回である。

 授業実践 
(1) 第1回(3月6日・2校時)インターネット教習所・学科1(「インターネットの仕組みと情報について考えよう」)

学習内容 モラルカリキュラムの目標
学科 1 インターネットとじょうほうの仕組み
       インターネットってなに?
       情報って何?  
       情報は人が作っている
●聞いたことは正しく伝える。
(A2)参画する態度
  科学的な理解
学科2 インターネットを使う心構え

        調べるって何?
        人のじょうほうを使う
●人の情報をつかうときは出典の明示をする
(B3/B4)
  科学的な理解
  参画する態度
学科3 インターネットじょうほうの使い方
     引用    個人じょうほうろうえい
     ウイルス  有害じょうほう
●知らない人に聞かれても自分や友だちの家
の電話番号等は教えない(c2/c5/c6) 
  参画する態度
学科4 インターネットの世界
    調べるときは
    まとめるときは
    便利だけど気をつけて
    インターネットを使う約束
籠原小学校インターネットガイドライン
 参画する態度
実技1 じょうほうのさがし方
    図書館の本の中からじょうほうを探す
    じょうほう源を記録する
●人の情報をつかうときは出典の明示をする
(B3/B4)パフォーマンステスト
情報活用の実践力
参画する態度
実技2 インターネットの見方         
     ブラウザの使い方  戻る 進む  
○コンピュータ操作カルテ
 
 インターネットホームページを見る
 パフォーマンステスト
実技3 インターネットでのじょうほうのさがし方
      リンク集から  カテゴリ検索
      サイトの記録 コピー貼り付け
●人の情報をつかうときは出典の明示をする
(B3/B4)パフォーマンステスト

○コンピュータ操作カルテ
 
 カテゴリー検索
 図と文字のコピー貼り付け
 パフォーマンステスト
実技4 じょうほうの使い方
       レポートの作り方  
       出典の明示
●人の情報をつかうときは出典の明示をする
(B3/B4)パフォーマンステスト


(1)学科1 授業の様子

○指導の目標 大まかなインターネットの仕組みを知るとともに、情報はゆがみやすいこと
        を理解させる。
展開
学習活動 指導上の留意点
1、インターネットの仕組みを知る


2、情報とは何かを考える。
 音  文字 写真 話 映像等・


3 伝言ゲームをして、情報が変わることを体感する

4、確認テストを行う

5、答え合わせをする
◎プレゼンテーションでインターネットの仕組みを伝える。
(テキストを使用)
◎身の回りにある情報について発問し、たくさん情報があることを知らせる。
(テキストを使用)

◎伝言ゲームをさせ、情報が変化したことに気づかせ、情報は人が作っていることを実感させる

◎○×式のテストを行い、学習内容の定着を確認 する。
◎ 80点以上を合格として、満たなかったらもう一度やらせる。



3年生128名の全員が大教室に集合。教師(関根)がイラスト入りのスライド(パソコン)でインターネットの仕組み、情報の意味や形態、特質などについて説明する。
 「じょうほう」ってなに?では伝言ゲームなどの遊びも取り入れながら体験的に学習させた。内容はA4版のプリントで3枚程度の分量。最後に「確認テスト1」(10問で構成)に挑戦させる。直ちに合否を判定。128名中125名が合格。不合格者は指導後に追試を行った。
学科1に利用した教材
学科1 

(2) 実技1 (「図書で調べてみよう」)
 
各クラス単位で学習。児童に3つの課題を提出する。[1]指定された書名の図書を図書室で探し出す(著者や出版社などを記録)、[2]指示された書名の図書を探して熊谷市の誕生年を調べる課題(誕生年を記入)[3]熊谷市にある寺院名を調べる課題(寺院名と出典を明記)に挑戦する。続いて3問のテスト(パフォーマンテスト)を行う。3問とも正しく操作できれば合格。

(3) 学科2(「ホームページで調べる時に大切なことを考えよう」)
○指導の目標 ホームページの仕組みを知らせ、調べるときに気を付けることを理解させる
学習活動 指導上の留意点
1、ホームページとは何かを知る
アドレス 
2、検索の仕組みを知る
検索サイトの情報の整理の仕組み
3、調べるときに重要なことを知る

4、確認テストをする。

5、答え合わせをする。
◎いろいろなサイトを表示し、ページ内のボタンで画面が変わることや動画も見られるとを知らせる
◎カテゴリを追って発音させ、どこに籠原小学校のページがあるかを知らせる
◎調べる目的をはっきりしてから、調べにはいることを伝え、見つからないこともあることを知らせる
◎○×式のテストを行い、学習内容の定着を確認 する。
◎ 80点に満たなかったらもう一度やらせる
自分たちの学校(籠原小学校)のホームページをリアルタイムで提示しながら、誰が作成したか、アドレスとは何か、検索の手順や検索時に大切なこと(何を知りたいのか・アドレスや出所のメモ・2つ以上のメディアで比べる)など理由を考えさせながら学習。
128名中123名が合格。不合格者は指導後に追試を行った。

(4) ・実技2(「インターネットを立ち上げてみよう」) 
各クラス単位で実習。コンピュータ室で初めてインターネットを立ち上げる操作に入る。自分たちの学校のページにたどり着くためのカテゴリー検索の練習を3段階に分けて行う。手順を踏んで学校のホームページや地図のページが検索できたら合格。

(5) 学科3(「インターネットの正しい使い方を知る−どんな問題があるか−」)

インターネット上では写真や文章などを容易にコピーして自分のパソコンに取り込み「貼り付ける」ことができることを実演して見せる。だが、誰かが撮った写真や書いた文章で、他人のものである。コピーする時は、事前に連絡して許可を得ることが必要なことを相手の立場に立って考えさせる。貼り付ける時は、書籍の場合(出典の明示)と同様に出所(アドレスや氏名など)を明記することが必要なことを理解させる。
(6) 第6回(3月13日・5校時)
インターネット教習所・実技3(「インターネットで調べてみよう」)
各クラス単位で学習。[1]市内の小学校のホームページをカテゴリー検索し、そのアドレスを書いてみる。[2]市内の他の小学校のホームページを検索して児童数を調べて記入し、その出所のアドレスを明記する。[3]埼玉県の地図ページを検索して市の数を調べる、などの活動を通じてカテゴリーによる情報検索の方法と出所表示の習慣を身につけるようにした。[1]〜[3]のすべてができたら合格。

授業の様子

 本時では、アドレスを手作業で書き写す作業が、3年生の児童には大変な作業となった。しかし、アドレスの途中に出てくるドットやハイフンなどの記号も正確に写し取ろうとする態度が見られ授業への意欲が感じられた。アドレスの最後はjpということから、「これはなんでjpなの?」というような質問もでて、インターネットの仕組みに関するの関心も高まっている児童も見られた。一番早く合格した児童が25分、遅かった児童が51分であった。

実技3のワークシート

(7)学科4(「インターネットで情報 を上手に探す方法を考えよう」)
3年生全員で学習。何のために調べるのかを明確にすることがが大切。すぐにコピーを取らない。コピーが目的ではない。「わからない」ことを「わからせて」くれるのが「情報」。そのために情報を検索し収集するのである。
 同時に、リンク集の利用やカテゴリー検索、引用の方法や出所明記の練習を行う。また子供向けガイドラインを読んで考えさせた。


ガイドラインには10項目の約束がかかれている。
その中で

[5]思いやりの心を持って、ホームページをつくったり、メールをかいたりします。という項目もある。
「コンピュータのむこうにも人がいるということを常に意識させるということ」はこの時点に置いてもしっかりとおさえて指導した。

学習直後、「確認テスト」を実施。128名全員が合格。これで学科は終了。

(8) 実技4(「インターネットで調べてレポートを書こう」)
各クラス単位で学習。地図サイトを検索し(教師が方法を実演する)、千葉県の地図を見つけコピーして貼り付ける。千葉県にはいくつ市があるか数えてその数字を書き、調べたことから気の付いたことや思ったことを記述する。まとまった作品ができたら合格。そして最後に、合格者(全員)に「学校インターネット免許証」が交付された。


研究の内容です。
1 情報モラル育成カリキュラムの作成 平成14年作成の情報モラルのカリキュラム
チェックシートです。
2、教材開発「学校インターネット教習所」 教材開発の意図、特徴などです。
3、「学校インターネット教習所」の講習内容  授業の概要です
4、実践後の調査 アンケート調査の結果です
5、授業実践の考察 児童アンケート・教師のアンケートの考察です。
6、今後の課題(絵本型教材の教材開発) 今後の課題、次の教材開発予定など。

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