情報教育を支援するシステム開発と情報モラルの育成に関する検討

山本朋弘 (tyamamot@ruby.ocn.ne.jp)
熊本県人吉市立東間小学校


1.はじめに
2.実践内容と成果の概要
3.情報教育のための支援システムの開発と活用
(1)Web情報の理解力を高めるシステム
(2)学習者参加型のリンク集作成システム
(3)発信内容を推敲するためのシステム
4.Web活用における情報モラルの育成
5.研究の成果 参考文献・口頭発表



<あらすじ>

 本研究では,情報収集を支援するWeb検索システムや学習者参加型リンク集システム,発信内容の推敲を支援する評価システムを開発し,授業実践を通して,情報を主体的に活用できる能力の育成を進め,自己評価や内容の推敲に有効であることを確認した。次に,Web活用における情報モラルの育成を目指して,学年に応じた指導計画や自作資料を用いた授業実践を進め,ネットワーク社会で生きていくために必要な態度を身につけることにつなげることを示した。
<キーワード>インターネット,地域素材,システム開発,情報教育,総合的な学習の時間

要  約

 本研究では,情報教育を支援するシステムとして,以下に示す3つのシステム開発を行い,それを授業の中で活用してシステムの有効性を確かめた。
  (1) Web情報の理解力を高めるシステム
  (2) 学習者参加型のリンク集作成システム
  (3) 発信内容を推敲するためのシステム
 まず,未習の学習語句に着目し,データベースを用いたWeb検索システムを開発し,システムを活用した授業実践を行った。そして,Web情報の理解向上について,本システムの有効性を明らかにした。
 学習者参加型リンク集システムでは,インタラクティブな活用を促進するために,児童が新たに見つけた学習情報を登録し,児童によるリンク集作成を行わせた。そして,リンク集への登録状況を分析し,システムの有効性を確かめた。
 Web上での外部評価システムを開発し,児童の発信内容への外部評価をWeb上で収集し,自己評価や内容の推敲に役立てるようにした。システムの有効性を検証し,発信への意欲や推敲力の向上を図ることができた。
 次に,Web活用における情報モラルの育成について検討した。ここでは,学年に応じた指導計画や資料を自作して活用し,授業実践を進めた。また,児童によるメールマガジンを発行し,継続して取り組む意欲を高めることができた。そして,情報モラルについての児童の意識の変容を分析した結果,ネットワーク社会で生きていくために必要な態度を身につけることにつながった。