(1)学年に応じた情報モラル指導計画の作成
低学年の時期から,関連する情報モラルの指導を進めるようにし,『心の教育』もあわせて行うように計画した。中学年から電子メールを活用した学習をスタートするようにし,電話やFAXなどの情報機器と同じように活用するように配慮した。
Webページ作成においても,的確な内容を相手にわかりやすい文章で書くことや,住所や電話番号などの個人情報を書かないことなどを指導し,情報発信に責任を持たせるようにした。
(2)自作資料の活用
情報発信での留意点に気づかせるために,自作資料を作成し,Webページに書かれた人の気持ちを考えるようにした。表4は,学級活動での取り組みの一例である。グループで考えた対応策について,それぞれのよさや問題点を学級全体で話し合い,これからの生活に生かしていくようにまとめた。
また,著作権や個人情報保護についても,同様の資料を作成し,学習を進めた。書く内容に個人の大切な情報が含まれていないかをよく確認しておくことを伝えた。
| 6年 学級活動 題材名「こんなメールを受け取ったら」 | |
| 【授業の流れ】 (ア) 自作資料を読み,読んだ感想を発表しあう。 (イ) グループで,メールへの対応を考える。 (ウ) 対応策を全体で確認し,これから生かしていくようにまとめる。 |
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| 【活用した自作資料の一例】 ○○くんは,よく電子メールを使います。ある日,知らない会社からのメールで,アンケートメールが届きました。 「アンケートに答えると,キャラクターのテレホンカードをプレゼントします。」 と書いてありました。そこで,Aくんは,名前や住所,電話番号,家の人のことなどを記入して,メールを送りました。 ところが,いつまで待ってもテレホンカードは届きません。 そのかわりに,いたずら電話がかかってくるようになり,たいへん迷惑をしています。 |
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(3)児童の手によるメールマガジン
6年生では,小学校生活の最後の思い出に,学校生活での出来事をたくさんの人に伝えたいということになった。そこで,児童たちが制作する「メールマガジン」をほぼ毎日発行していくことにした。子供たちは自分たちで順番を決め,輪番制でメールマガジンを発行した。
発行したメールマガジンの内容は,登録者にメールで送付された。また,Webページでも公開するようにした。(右図を参照)
このメールマガジンは,始めに保護者の方々に呼びかけた。そして,Web上でも購読を申し込めるようにした。受信しても無理に返事を書かなくて良いことを伝えた。
子どもたちが,メールマガジンを通して,以下のような学校での出来事を伝えるようになった。その他,学校での小さな出来事もわかりやすく伝えるようにしていた。
○学校のWebページの内容が新しくなったこと。
○運動会の準備や練習の様子について。
○新しいALTの先生から,英会話を学習したこと。
○修学旅行や遠足などの学校行事の様子について。
メールマガジンの受信者は,届いたメールに対して返事をくれるようになり,継続して取り組む意欲を高めてくれた。
(4)「情報社会に参画する態度」の変容
表4は,平成11年度と13年度に実施した意識調査の結果の中から,「情報モラル」の項目について比較したグラフである。
インターネットを通じた人との出会いについて比較してみると,H13年度結果が,5%水準で有意に高い結果となった。ネットワークを通じて新しい出会いが生まれたと感じている児童が増加していることがわかる。
情報モラルに関する内容を集計して比較してみると,H13年度結果が,10%水準で有意に高い結果となった。個人情報の保護や著作権についての理解が深まり,進んで守ろうとする意識が高まってきている。
協力する気持ちや協調性についても比較を行った結果,1%水準で高い結果となり,インターネット活用を通して協力しようとする態度を高めていることがわかった。
| H11 | H13 | t-検定結果 | |
| 情報モラルの高まり | 3.6 | 3.8 | p<0.10 |
| 協力・協調 | 3.2 | 3.6 | **p<0.01 |
| 人との出会い | 3.2 | 3.9 | **p<0.05 |