(3)発信内容の推敲を支援するシステム開発と活用
総合的な学習において,Webページを通して発信する活動が多くなり,情報発信に対して,学校外から電子メールでアドバイスをいただくこともあった。
そこで,子どもたちの情報発信に対する学校外からの評価を,自己評価やふりかえりに生かすことができるシステムを開発し,さらなる情報発信へと高めていくことができないかと考え,他者評価や自己評価を生かした発信型の授業実践を進めてみた。
(ア)システムの概要
学校外からの評価を生かし,発信内容の推敲を支援するシステムを開発した。図7に,そのシステム活用の流れを示す。送信フォームに書き込んでもらうと,子どもたちが後で閲覧する評価ページには,書き込み内容の一覧が表示される。
図8は,送信してもらったアドバイスの1つである。内容やわかりやすさなどについて5段階で得点化して表示するようにした。
図7 リンク集作成システム活用の流れ
図8 送信されたアドバイスの一例
【その他のアドバイス】
[アドバイス例1]
写真が印象的ですね!字だけのWebページでは見づらいので,とっても良いです!あとは,字の大きさを少し調整するのと,手書きのイラストがあればばっちりですね!
[アドバイス例2]
とても色使いがきれいなページですね。写真もとってもきれいだし,なによりデータが軽いのがいいですね。さっと表示されて,とても気持ちよく見ることができました。ページの内容のことですが,鮎料理のそれぞれの写真に説明がもっとあるといいかなあと思います。また,見にきますね。楽しみにしています。
[アドバイス例3]
郷土料理でしょうか?つぼん汁??画像を見ました。何の汁かとても興味があります。まだ作成途中のようで,文章もとぎれておりますが,次は材料や作り方を載せて下さいね。我が家でも作ってみます。私にも小5の子どもがいますが,パソコンはまだまだ。凄いですね,4年生でWebページを作るなんて。
(イ)システムを利用した授業実践
図9は,アドバイスをみて,全国に自分たちのページを見てくれる人がいることを意識し,とても喜んでいた様子である。
図10のように,わかりやすく伝える工夫について話し合い,内容の構成や強調などについて考えた。高齢者の方には小さな文字は見にくいことや,背景を飾りすぎるとわかりにくいものになってしまうことなどに気づいた。
図9 アドバイスページを見て考える場面 図10 協力して発信内容を見直す活動の様子
(ウ)児童の変容
学校外部の方々からもらったアドバイスをもとに,作成している「おいしんぼWebページ」を友達と協力して見直すようにし,わかりやすく伝える工夫について話し合った。Webページの中で,どんな順序で示すとよいか,強調したい部分をどのように示すとよいかなどについて考える機会となった。
アドバイスを送っていただいた方々は,全国にわたり,総計で200通を越えるアドバイスをいただいた。子供たちは,これらのアドバイスをみて,全国に自分たちのページを見てくれる人がいることを意識し,とても喜んでいた。
表3は,情報発信について意識調査をした結果である。「情報発信への意欲」と「情報の見直し」について,有意な差があり,児童の意識が高まっていることがわかった。本システムの利用を通して,「情報活用の実践力」の1つである,「相手や目的を意識してよりよい情報に加工する力」が身についてきたと考えられる。
| 調査項目 | 事前 | 事後 | t-検定結果 | |
| 情報への意欲 | 5.5 | 3.5 | *p<0.10 | |
| 情報の見直し | 6.0 | 4.0 | **p<0.05 | |