情報教育を支援するシステム開発と
情報モラルの育成に関する検討

(2)参加型リンク集作成システムの開発と活用
情報収集する際,役立ちそうなWebページを見つけ,友だちに知らせて後でみんなで調べたいという場面が授業の中で出てくる。学習者の視点からみた有効な学習情報をリンク集に登録し,学習者がリンク集の運営に参加できるシステムを開発した。
(ア)システムの概要
検索エンジンを用い,学習テーマに関連した有効な情報を見つける活動を通して,自ら見つけた有効な情報を互いに共有する態度を養うようにした。
児童が検索エンジンを用いて学習情報を閲覧し,有効な学習情報を見つけた場合,登録画面から登録する。システムは,個人ログの記録にもとづいて,閲覧しているページのURLや登録者名を判別するようにした。URLは,学習者の入力の負担を軽減するために,自動的に取得するようにした。
コンテンツの内容について分析を行い,含まれる学習用語の種類や数,含まれる画像の数をシステムが判別し,児童がタイトルや簡単な説明や感想,属するカテゴリーを入力する。学習者の入力部分や,システムの判別した内容にもとづいて,システムがリンクを生成し,そのリンクをリンク集に追加するようにした。
図3は,登録時の表示画面である。閲覧しているページのURLや閲覧者の名前をシステムから取得し,表示する。学習者は,リンク集に追加するページの簡単な説明などを入力する。cookieや閲覧ログを用いて以下の内容を自動的に取得するようにした。
・学習情報のURLやタイトル
・登録者の名前
利用者が簡単な説明を記入できるようにした。また,複数のカテゴリーを選択し,記録できるようにした。
図4は,作成したリンク集のもくじ画面である。子どもたちが登録したカテゴリー別に一覧を表示するようにした。かっこ内の数字は,リンクの数を示している。例えば,国語[7]では登録数7件,社会[36]では登録数36件といったように表示される。
また,キーワード検索によって,キーワードを入力し,リンクを探し出すことができるようにした。学習用語データベースを用い,含まれる用語の数を提示するようにした。
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| 図3 リンク集への登録画面 |
図4 作成したリンク集のもくじ画面 |
(イ)システムを利用した授業実践
5年生の『情報タイム』において,「学習に役立つページを見つけよう」と題して実践した。今回の取り組みで,58名がリンク集に登録し,全体で115件のリンクが登録された。
授業実践において子どもたちが登録したリンクの登録数について分析し,教科別に登録状況を比較した結果を図5に示す。理科を選択して登録したリンクが,一番多く,続いて,社会55件,総合39件,生活25件,家庭科13件の順となった。このことから,Web上に,理科や社会科に関連する情報が多く,子どもたちが有効な情報と判断していることがわかる。算数,国語,体育は,10件以下で,図工,音楽は,5件以下の結果となった。また,道徳では登録されたリンクは存在しなかった。
教科以外の領域別の登録状況についても分析した結果を,図6に示す。
環境教育での取り組みを事前に行っていたことから,環境に関連のあるカテゴリーに多く登録されていた。理科や社会に関連のあるカテゴリーが多かった結果となった。
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| 図5 教科別の登録状況 |
図6 領域別の登録状況 |
授業後の子どもたちの感想を,以下に示す。本システムの利用を通して,「情報活用の実践力」の1つである,「目的を考えながら情報を選択・整理する力」を高め,情報を再利用する意識が身についてきたと判断される。
【児童の感想】
○自分たちの作成したリンク集なので,愛着がでてきて,いつも活用したくなった。
○友だちと同じリンクを登録しても,それぞれ感想がちがうのでおもしろかった。
○あとで調べるときに,リンク集を使うと早く見つけることができ,助かった。
○次の年に残しておくと,下級生の役に立つリンク集になると思う。
○どんな教科やカテゴリーで登録するか迷った時があった。


