情報教育を支援するシステム開発と
情報モラルの育成に関する検討

1.はじめに

 情報教育では,学び方や問題解決の仕方として,情報を主体的に選択・活用できる能力を育成することをねらいとしている。また,急速な情報化が進展する中,情報モラルを身につけ,コンピュータや情報通信ネットワークを適切に活用できるようにすることが求められている。
小学校段階では,発達段階に配慮し,以下の課題に対応した授業実践が必要であると考えた。

○わかりやすい情報を提供し,主体的な情報収集の活動に高める。
○一方的な情報発信ではなく,相手や目的を意識したインタラクティブな活動に高める。
○情報モラルに関する指導を充実させ,豊かな人間性を育む「心の教育」を進める。

本研究では,情報教育における授業実践を継続的に進めながら,これらの問題点を解決するための具体的な手だてとして,2つの視点で研究した。

○情報教育を支援するシステムの開発と活用
○Web活用における情報モラルの育成

2.実践内容と成果の概要

 本研究で取り組んだ実践の内容とその成果を,表1に示す。この表に示すように,(1)〜(3)は「情報活用の実践力」を高めることを目標としている。また,(4)(5)は「情報社会に参画する態度」の育成を目標としている。

表1 本研究における実践内容と成果の概要
実践内容 成果の概要
情報活用の実践力の育成 (1)情報収集を支援するシステムの開発と活用 環境教育において,システムを活用した授業実践を進めた。
内容理解の向上において,本システムの有効性を明らかにした。
(2)学習者参加型のリンク集作成システムの開発と活用 授業の中で子どもたちによるリンク集作成を主体的に進めた。
教科や総合的な学習で有効な情報を児童自ら収集できた。
(3)発信内容の推敲を支援するシステムの開発と活用 児童の発信内容への評価を,全国から収集することができた。
発信意欲や推敲力の向上について,意識の変容が見られた。
情報社会に参画する態度の育成 (4)学年に応じた情報モラル指導計画作成 発達段階に応じた指導を明確にすることができた。
総合的な学習,道徳や学活など,全体で総合的に実践することができた。
(5)自作資料の作成と活用 個人情報の保護や著作権についての理解が深まり,進んで守ろうとする意識が高まってきた。
情報モラルの理解,協力などについて,意識の変容が見られた。