目次/はじめに/何を目指したか/機器構成/校内情報化/実践(プロジェクト)/成果と課題/最後に 次へ
2 何を目指したか(テーマ)
高度情報化社会を子ども達に与え、その与えられた環境を積極的に利用し、成長していく子ども達を応援しようとした。子ども達には以下のような情報環境が提供される。
・自分の考えで自由に構成できる一人一人のホームページと作る技術
・VODや文書、リンク集でデジタル化した情報
・調べたこと、学習したことを付け加えられる情報蓄積の場「新東なんでも情報館」
・交流の窓口である一人一人のメールアドレス
これらは、我が校が用意した高度情報化社会の「道具」である。この「道具」を有効に使えうる教材の提示が教師の使命となる。
我々は、自然との関わり、人との関わりの中で、自ら考え判断し活動する子どもを想定し、自己実現を図るために積極的に模索する子どもの育成を目指している。情報環境の一部でもある教師が子どもが協力しながら「道具」を使い、目的実現を応援するような実践をすすめたのが、本校の取り組みである。
子どもと共に創る情報環境(みんなのページ構想)
校内に、イントラネットを構築し、学習に利用できる情報、資料(ビデオ、音声、画像など)をサーバーに載せる。LAN上のパソコンからそれらを利用することが出来る。子ども一人一人がホームページを持ち、ノート代わりにホームページを活用する。そこには学習に利用したリンク集、まとめ、主張があり、学習の蓄積と情報発信の場となる。さらに、イントラネット上で一人一人のホームページが公開されることで、知識の共有化を産み、子どもたちの情報空間が作り上げられる。そういう場に子どもを置き、適切な教材を与えることで子どもを育んでいく。知識は個人が獲得したものというイメージが強く、その知識の量を比較するのが評価になっていた時期もあった。知識の共有化は、自分の持っている知識は共有のものであり、みんなでそれを高めていこうという考えに立つ。インターネットの世界では、LINUXという基本ソフトウェアが共同の元に作り上げられているように、インターネット上での知識の共有化、共同作業はこれからも進展して行くに違いない。
学校では、LINUXに見られるような知的生産物だけで子どもが育っていくわけではないので、実生活・実体験の中で情報や情報技術を駆使する取り組みを設定せねばならない。ホームページ作りの技術を習得させ、どのような題材を与え、如何に学習を蓄積するか、如何に情報発信が出来るような豊かな体験を積ませるかが我々の課題である。画像、映像の操作、ホームページの画面作りなど技術的な課題は子どもが互いに教え合っても可能である。教師の役割は、子どもに、適切な題材を与え、豊かな体験をさせ、情報発信できる一人一人の財産を豊富にすることである。
豊かな財産は、デジタル情報として自分のホームページに記録され、一人一人の情報環境を作り上げ、子どもは、ノートに比すれば莫大な情報をCDROM(DVD)化し、携えて卒業できる。作り上げた情報環境は、生涯に亘って発展を続け、子どもの情報生活を支えていくであろう。(コンピュータから離れることができない状況に置かれる子どもたちが、CDROMにコピーされた情報を自分のコンピュータに移し、更に、情報が付け加えられ、生涯に亘って活用する姿を期待している)