ネットワークを活用した共感的な共同学習の実践
〜「心・ネットワーキング」の実践を通して〜

田中 克昌 江東区立第三砂町小学校
小松 広宣 江戸川区立南葛西第二小学校
日下部和彦 江東区立数矢小学校
鷲田  睦 江戸川区立鹿骨小学校

<要  約>
 本研究は,情報活用の実践力や問題解決能力と,生きる力の核となる豊かな人間性を着実に養うために,ネットワークメディアを活用した「総合的な学習の時間」の実践報告である。実践にあたっては,「実践のコンセプト」と「実践の柱立て」を基本的な考えとして取り組んだ。
 「実践のコンセプト」については,下記の3つを考えた。
  ◇人間的な価値を軸に広がる「ヒューマンネットワーキング」
  ◇共感的に広がっていく「オープンネットワーキング」
  ◇インターネットを活用した「メディアネットワーキング」
   ※ネットワーキングは,児童自ら人のつながりを創り出していく活動(個性+調和性+創造性)を意味している。
 「実践の柱立て」については,学習計画の工夫として,下記の点を設定した。
  ◇長期しかけ
   ・情報活用の実践力や問題解決能力の段階的育成
   ・先行経験の配置
  ◇短期しかけ
・意欲を高め,問題意識を深める活動の配置
・豊かな人間性を養う学習構成
 この「実践の基本的な考え」にもとづき,「盲導犬を増やしたい。」という,共通の問題意識のもとに3校の4・5・6年生(異学年)の共同プロジェクト学習を構成し,その成果を検証した。
 その結果, 児童が問題意識を深め,具体的に解決方法を考え,様々な人たちとともに生きていること(共生)を感じとるためには,情報活用の実践力の育成が重要であり,ネットワークメディアの活用が有効であることを確かめることができた。


<目  次>

T.研究概要

U.本実践の基本的な考え方

V.「心ネットワーキング」の実践

W.考  察