目次 1 取り組みのねらい 2 過去3年間の取り組みについて 3 本年度の取り組み 4 評価 5 まとめ
(1) ねらい
A 情報活用の実践力を高める。
B 外国の方を含めて、いろいろな立場、年齢の方と交流し、意見を交換する場を持つことでいろいろな視点から物事を見ることができるような力を育てる。
(2) ねらい達成のための方策
A 必要なスキル項目の洗い出し、スキルブックの作成をおこなう。
B 生徒が情報収集、情報交換を行いやすいように、学年のオープンスペースを工夫する
C 総合的な学習の学年の領域を「国際理解」とし、交流の場を設ける。
・地域の方、ALTの方との学年活動を企画する。
(3) 取り組みの概要
A 教科の学習の中での情報活用のスキル・マナーの育成
スキルブックは、以下の3つの内容を含んでいる。このスキルブックは、生徒には冊子にして配布しておく。(校内のイントラネットのホームページにもリンクされており、いつでも見ることができる。)それによって生徒は必要なときに必要な部分を活用することができる。
ア スキルブックの製作と活用(平成10年〜12年)
・スキルブックの内容
T情報収集のスキル(インタビューの仕方、電子メールの使い方、電話のかけ方など)
U表現・活用のスキル(課題のつくり方、ディベートの仕方、討論の仕方など)
V機器活用スキル(コンピュータの使い方、OHPの使い方、ビデオや写真の撮り方など)
平成10年度、11年度は、総合的な学習の時間が組み込まれないので、各教科の中で情報収集・表現のスキルを取り入れた。(学年のスタッフの教科を中心にして試行)スキルは単に情報機器の活用方法だけに焦点を当てるのではなく、課題のつくり方、集めた情報から考えを深め、発表するまでの様々な情報処理のプロセス、友達との共同作業の方法、そしてそういった活動の基礎となるマナーまでも含む幅広いものになっている。
イ 活動例
例1 わかりやすい発表の仕方の指導 (理科、光)
・各グループごとに課題を見つけて探究し、発表会をおこなう。
Point そのグループがどんな現象について発表しようとしているのかが聞き手にわかること。
・自分たちの不思議に思った現象が聞き手にわかるように、発表の内容に応じて機器を選択させる。
Point 発表原稿を作成し、そのなかにだれがどんな資料をどう提示するかまで書き込ませる。
Point 評価の中に理科的な内容についての評価だけではなく、話す速さ、声の大きさ、抑揚、資料についてなど情報教育的な評価項目も作っておき、評価してもらったカードを見ることで、自分達の発表について客観的な目で見ることができるようにした。
・班内でのリハーサルの時間はしっかりと確保させる。
例2 総合的な学習で学んだことを英文にして紹介しよう。(英語科)
・電子掲示板を用いて自分の考え(英文)を友達に見てもらったり、友達の意見についてコメントしたりする。
Point 見た人がわかりやすい英文を作成すること
Point 電子掲示板を用いると短時間で多くの人の意見文を読み、自分の考えを書き込んでいくことができることなど電子掲示板の有用な点を再確認する。
資料1 学習スキルブックの最初のページ
B 総合的な学習(情報活用の実践力の育成をねらった年間計画)における活動
総合的な学習の中でのいろいろな交流の場の設定及びそこから出てきた自己の課題の探究
ア ALTの方の母国について知る集会
この集会は、ALTの母国(故郷)の生活や習慣(食事や交通ルールなど身近な部分)について地図、スライド、実物などを用いて簡単な英語で話をしていただいた。生徒は、日本と対比しながら質問をしていく。質問については、日本語でもよいことにした。
*ニール(カナダ)との集会
カナダと日本のつながりを、パン、割り箸などを用いてわかり易く説明していただいた。
*ネッツ(アメリカ・ワシントン州)
re planting(木を切ったら植える。という法律が始めてできたのはアメリカのワシントン州(ネッツのふるさと)であるという話も交えて、環境問題へのアメリカの取り組みなどを説明していただいた。この学習はその後、理科、社会などにつながっていく。
イ 地域の方で国際協力をしておられる方との交流
ブラジルで子ども達に学習を教えておられる中山さんとの交流会をひらき、ブラジルの人たちと日本人との習慣の違いを学んだ。また、ブラジルへ画材、楽器(リコーダー)などを送った。
ウ 修学旅行での取り組み
外国人留学生の方との交流(外国人との話し合いの場)の場を持つ
大阪の外国人留学生の方 11カ国、13名 を招待し、交流会及び食事会を行い、自分達の住む日本について外からの目で考える機会とした。
エ 小学校の共同授業・・・テレビ会議を通して(修学旅行平和領域実行委員グループ。)
福野町立福野小学校の6年生の社会科、太平洋戦争についての学習にテレビ会議を通して平和グループの生徒たちが参加した。自分の平和に対する考えを述べるとともに、小学生の質問に答えた。中学生は彼らなりに、意見をまとめていたのだが、小学生の素朴な質問に対して答えに窮することが多く、もっと根源的なことを考えなければならないと痛感していた。終わった後で「資料を整理し、もう一度テレビ会議をしたい。」と言う生徒が多かった。
オ 地域にいらっしゃる外国人の方との交流会を開こう。(異文化理解グループ)
学園祭のサークル活動として福光町在住の外国人の方との交流会を企画した。
町役場の方のアドバイスをいただき、外国人の方が勤めておられる企業の社長さんへの依頼、本人への依頼などをはじめ、内容の打ち合わせ、接待など、少ない人数で分担し、交流会を企画運営した。
C 過去3年間の活動の考察
課題
○ 学習のスキルブックは整理できてきた。
○ スキル系の学習を中心にして取り組んできたが、育てたい力が整理されていなかった。そのため、育てたい力を洗い出し、取り組みの内容をその育てたい力のうち、どの力に焦点を当てているのかを考えて3年間を振り返ってみると、かなり抜けている部分が多いことに気付いた。
本年度の取り組みへ
○ 本年度入学生は、学習のスキルとともに情報教育の評価項目を明確にして、教科及び総合的な学習の時間において学習を進めていくことが必要
○ 総合的な学習においては、小課題を用いた中で学習スキルを学ぶ基礎総合と,基礎総合を生かし、自己の課題を追い求める発展総合の考え方で取り組むと良いのではないか。