第9回上月情報教育賞 研究論文
 
〜 教育コミュニティの創設・再生・発展を目指すASK-NETプロジェクト 〜
 
 
4.ASK-NETプロジェクト
 4.1 仮想現実という恐怖
 状況的学習論を初め、人間の脳が子供から大人へと発達する段階で、人類は未知なる段階に入っているのではないだろうか。子どもたちは仮想現実というバーチャルな世界でコミュニケーションを行い、ゲームをして、その世界のルールや考え方を潜在的に脳にたたき込まれている。3月になってもクラス全員の名前を知らないのは当たり前のようである。クラスでは気の合う5、6人の小集団化が進んでおり、小集団に入れないものは孤立、そしてイジメが始まるという構造ができあがっている。孤立した生徒の逃げ込む先(あるいは前後するかもしれないが・・・)はアニメ・ゲームの世界か、インターネットの世界のような自分のルールを最優先できる仮想現実の世界が一番多い。現実の世界で人間関係を構築できないため携帯の電話番号をいくつ集めたといって友達の数を張り合ったり、希薄な人間関係のため写真という証拠を眺めて確認したりに使われるプリクラはまさにその典型に過ぎない。参加することがまさに「学び」だ、というように本来の人間の学びを押さえた上で情報技術を中心とした仮想現実の世界とどのように協調できるかという研究が必要だ。
 ASK-NETは現実と仮想現実を結ぶ架け橋として機能できないかと考えている。ASK-NETサイト上の情報は、インターネット上ですべて完結する情報ではなく、実際の教育コミュニティへの参加を促す情報であり、現実のヒューマンネットワークをこれまで以上に増幅させることが目標である。