1. 過去の研究テーマから本年度の取り組みへ
 本校では平成15年度から「情報C」を1年次2単位で実施してきた。年度ごとに下のような研究テーマを設定し,教材開発および指導法の検討を進めてきた。
【今までの研究テーマと本年度のテーマ】
1年目(平成15年度)教材の開発とインタラクティブな授業
2年目(平成16年度)教材の改善とCSCL(Computer Supported Collaborative Learning)
3年目(平成17年度)授業の改善 コンセプトマップ用いた授業
4年目(平成18年度)指導と評価を一体化した学習デザインの在り方
 研究テーマをあらためてみると,過去3ヵ年は教材開発と授業改善に努めてきたことがわかる。教材はWebpageで作成した(以下教材Web)。この教材Webは,種々のコミュニケーション・ツールとリンクされており,生徒個々における学習活動の様子を収集・把握する手段として有効であった。また,これまでの研究で,「生徒間および生徒−教師間によるインタラクティブ性」が学びにとって教育効果があることならびに,コンピュータ利用による協働学習(Computer Supported Collaborative Learning)の有効性を確認することができたので,この手法をさらに発展させるために,これまでの教材および授業についての検証を試みることにした。
 そこで,国立教育政策研究所教育課程研究センターが作成した内容のまとまりごとの評価規準を用いて,ティーチング・ポートフォリオを作成した。
 本稿では,学習指導要領における情報Cの内容「(1)情報のディジタル化」の部分におけるティーチング・ポートフォリオから本校の授業実践を紹介するとともに,「指導と評価の一体化」を促すティーチング・ポートフォリオの有効性について報告する

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