指導実践例その1:第2学年算数「せんろづくり」の実践1
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 単元名   せ ん ろ づ く り 
 単元について
 子どもたちは,1年生で色板などによる「かたちづくり」の単元において,色板(面)をもとに具体的事物や平面図形を面で構成したり,棒(線)や点をつないで平面図形を作ることによって,図形を構成する学習をした。
 本単元では,正方形のカードを敷き詰めていきながら,線構成のもととなる形のうち,直線・十字・曲線の3種を使って図形の構成を経験させる。この線路作りの特徴は,「作る楽しみを味わわせることができる」,「「試行錯誤や見通しをもって操作を進めることで,いろいろな操作の経験をさせることができる」,「子どもの特性に応じた学習が可能である」,「解答が何通りもあるのでオープンな活動が可能である」,ということである。
 また,これらの活動を通して図形を見通したり見抜いたりする力を養い,図形の観察や図形に関する問題解決において役立てていきたい。
 低学年は,具体的操作が学習の重要な位置を占めるので,カードの具体的操作とコンピュータ画面での操作を個に応じて自由に使い分けながら,学習できるようにしていきたい。 
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 児童について
 子どもたちは,日常生活でジグソーパズルなどで絵と絵を組み合わせて仕上げる経験をしている。
 1年生の「かたちづくり」の単元では,影になったカードの組み合わせが理解できずにつまずく子がみられ,現在でも図形の問題に消極的な子もいる。その点,本時は,今までのある一定の絵を仕上げる問題とは違い,指定のカードを何枚か使って自由に仕上げるという,解答がいくつもあるオープンな問題なので,個に応じた主体的な操作活動が期待できる。
 子どもたちはこれまでに,コンピュータを使った授業を経験してきている。1年生の算数「3つのかずのけいさん」「かずあて」では,導入や確かめの段階においてゲーム感覚で使ってきている。2年生の生活科「わたしのまち」では,シミュレーションを使って疑似体験をし,算数の「1日のせいかつ」では,時間の定着を図るためにドリルとして使っている。また,リテラシー育成のため,本単元で活用する市販ソフト「キッドピクス」でお絵かきをしたり,プリンタの使い方を学習したりした。コンピュータの基本操作も覚え,どの子も意欲的に学習に取り組んでいる。
 本時では,コンピュータを使って作図した図形を,プリンタを使って印刷するといった情報メディアを使う操作がある。そこで,操作に手間取らないためにもティームティーチングの形を取って,操作の仕方を援助し,図形を構成する時間を十分に確保したい。
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 単元の目標
<関心・意欲・態度>
 線路作りに関心をもち,意欲的に活動に取り組もうとする。
<表現・技能>
 いろいろな線路をルールに従って作ることができる。
<数学的な考え方>
 できあがった作品の似ている点や違う点を見比べることができる。 
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 校内研とのかかわり
 本校の研究主題は,「自ら学び生きる力を育てる学習指導のあり方」である。
 これまで,コンピュータの効果的な活用の実践(子どもが主体的に取り組むためのコンピュータを活用した授業実践)(子どもの実態にあったソフトウェアの開発と実践)に重点をおいて研究を進めてきた。
 本単元は,線路のつなぎ方のルールに沿って,いろいろな線路の模様を作り上げる学習活動であり,3種類19枚の正方形(スタンプに描かれた線路のうち,何枚かを使って仕上げるというオープンな問題である。そのため,個に応じた学習を進めることができる。「キッドピクス」で自作したスタンプの3種類の線路は,色分けされているので,数えやすく,クリックすることによって簡単に並べることができる。また,直感に頼るばかりでなく,ある程度の見通しをもちながら操作する必要があるので,カードによる具体的操作より思考力を要すると思われる。それゆえ,自分で考えた線路ができあがったときの喜びは大きいであろう。さらに,自分で考えた線路をプリントアウトすることにより,自らの力で作り上げたという感動がわきあがり,その後の図形の異同点を発表し合う活動も,より一層積極的なものになると考える。また,グループごとに協力して学習活動を展開していくことで他の子とのかかわりや働きかけを得ることができ,学習効果が高まるものと思う。
 以上のような学習活動を展開することにより,子どもの興味・関心が高まり,意欲的に学習に取り組み,自ら学び生きる力を育てることにつながるものと思われる。
せんろづくりせんろづくりルール
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 指導と評価の計画(2時間)
単元名 主な学習活動 評価項目と方法 コンピュータ・備考





1 線路がかかれた正方形を敷き詰めていく線路作りのルールを知り,示されたつなぎ方の線路を作る。 [関心・意欲・態度]
線路作りに関心をもち,意欲的に作業に取り組もうとする。 (観察)
[表現・技能]
3種類のカードを組み合わせて示されたつなぎ方の線路を作ることができる。 (作品)
コンピュータ
[グループ]
プリンタ
カード
2 線路作りのルールに従い, いろいろな線路を自由に作り,発表し合う。(本時) [関心・意欲・態度]
積極的に,新しい線路作りに取り組も卯とする。(観察)
[表現・技能]
3種類のカードを用いて,決められた枚数の中でいろいろな線路を作ることができる。(作品)
[数学的な考え方]
できあがった作品の似ている点や違う点を見比べることができる。 (発表)
コンピュータ
[グループ]
プリンタ
カード
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