研究の概要

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研究主題
自ら学び生きる力を育てる学習指導のあり方
−コンピュータの活用による教科指導と情報教育の統合を目指した継続的実践研究−
研究主題について
(1) 教育目標から
 教育目標  ○姿勢を正して勉強する子  ○仲よく助け合う子  ○体をきたえてがんばる子
 本校の教育目標の1つである「姿勢を正して勉強する子」とは,自ら課題を見つけ,積極的に解決する姿勢を通して自らを教育し,学習に対する強い意志と高い志を持つ子どもの姿である。このような子どもを育てるには,学習の喜びを体験させ,成就感を味わわせ,学び続ける意欲を持たせることが大切である。そのためには,子ども一人一人が主体的に取り組む学習を工夫し,自分の考えを持たせるとともに,自分の力で解決する能力を育成しなければならないと考える。
 「自ら学び生きる力を育てる」とは,激しい変化が予想される社会に生きる子ども達が,自らの課題を見つけ,自ら考え,主体的に判断したり行動したりして,よりよく解決することができる資質や能力を育成することである。また,社会の変化に主体的に対応する資質や能力を育成するためには,必要とする情報を自らの判断で集めたり,理解したり,さらには伝達したりするという情報活用能力を育成することが重要である。そして,このような「自ら学び生きる力」の育成は,学校をはじめ,家庭や地域社会の中でも自らの体験活動を通して,さらに拡大・深化されていかなくてはならないと考える。

(2)児童の実態から
 これまでの日常観察や学力検査の結果等から,本校の子ども達は思考力,判断力が低い傾向にあった。これは,学習態度が受動的で,問題意識が低い子が多く,意欲的に学習に取り組む姿勢が不十分であるためと考えられた。
 これらの問題を克服するために,平成4年度から研究主題を「自ら学び生きる力を育てる学習指導のあり方」として生活科・社会科の学習指導のあり方を中心に研究を進め,指導過程や評価のあり方について研究を進めてきた。その中で,情報活用能力の育成を目指したコンピュータ活用による授業実践にも取り組んできた結果,子ども達はより興味を持って見通しを持ちながら学習に取り組み,自主的に問題を追究しようとする態度へ変容してきた。
 平成8年度からは,コンピュータを活用した授業を日常化させ,他教科へも広めることによって,子ども達はより意欲的な学習態度に変容していくものと考え,副題を「コンピュータの効果的な活用の実践」として,コンピュータを活用した授業実践に取り組んできた。その中で,問題を追究する活動では,情報検索をするためにインターネット等を活用し,豊かに表現するための道具としてコンピュータを活用することにより,子ども達の学習への興味・関心が高まり,自ら学ぶ意欲が高まってくることが明らかになってきた。
 平成11年度からはTTの年間,月間指導計画及び週プログラムの作成と活用により,コンピュータを活用した授業実践の日常化に取り組み,教科指導における指導法の改善と充実を図りながら,コンピュータリテラシーの育成を図る等,教科指導に情報教育を取り入れる実践を継続している。
 以上のように,コンピュータの活用計画をもとに授業実践を通してその活用を工夫し,未来に生きる力としての教育利用を研究し,コンピュータに慣れ,触れ,親しませながら自主的・自発的学習態度を育成することをねらいに研究を推進していきたいと考え本テーマを設定した。
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研究目標
○学習への興味・関心や情報活用の実践力を高め,自ら学び,よりよく問題を解決する資質や能力を育成するために,コンピュータの活用による教科指導と情報教育の統合を図った指導法を工夫することが有効であることを授業実践を通して明らかにする。
研究仮説
○授業におけるコンピュータの効果的な活用を工夫し,教科指導と情報教育の統合を図った授業実践を継続的に実施することにより,学習への興味・関心や情報活用の実践力が高まり,自ら学び,よりよく問題を解決する資質や能力を育成することができる。
研究内容
○ 教科指導と情報教育の関連を図った指導のねらいの明確化
○ 授業におけるコンピュータの効果的な活用を図った授業実践と考察
○ コンピュータ活用を位置付けた年間,月間指導計画の作成と活用
○ コンピュータ活用計画の作成(コンピュータリテラシー育成計画を含む)
○ ソフトウェア,コンピュータ室の環境整備による日常的活用方法の工夫
○ コンピュータ活用を推進するティームティーチング指導体制の工夫
研究方法
○ 講師招聘及び先進校視察等による理論研究を行い情報教育の位置づけを明確化する。
○ コンピュータ活用計画を年間指導計画の中に位置づける。
○ コンピュータリテラシーの育成をコンピュータ活用計画に位置づける。
○ 研究授業の実施による実践指導事例の累積を行い,校内研究の日常化を図る。
○ 観察や自己評価,意識調査による仮説の検証をする。
○ ティームティーチング指導体制の確立を図りコンピュータの活用に全ての学級で取り組む体制をつくる。
○ 教師のコンピュータリテラシーを高めるコンピュータ学習会を定期的に開催する。
○ ソフトウェアの購入や作成,コンピュータ室の整備等,コンピュータ活用の環境整備を行う。
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研究の経過 −コンピュータの多面的な活用へ−
(1)新しい学力観に立つ学習指導への取り組み【平成4年〜平成7年度】
 平成5年,6年度の文部省指定,教育課程研究指定校として,生活科と社会科の研究に取り組でいた時期で,その頃から問題解決的な学習のあり方や情報活用能力の育成という面に力を入れて研究を進めてきた。

  • 平成4年度:「学習の仕方を身に付けさせる指導過程の工夫」生活科,社会科の指導過程について,問題把握のさせ方について
  • 平成5年度:「問題解決学習において情報活用能力を育てる教材の開発及び指導過程の工夫」生活科,社会科の観点別評価規準作成,情報活用能力到達基準作成
  • 平成6年度:「個に応じた指導を通し,児童一人一人が主体的に取り組む学習過程の工夫」情報活用能力を生かすための教材の見直し及び学習過程の工夫
  • 平成7年度:評価規準表の活用を含めた評価のあり方について授業実践を通した研究

(2)コンピュータの効果的な活用へ【平成8年〜平成10年度】
 これまでの情報活用能力の育成及び学校環境作りに関する実践を踏まえ,「コンピュータの効果的な活用の実践」を中心に情報教育への取り組みを押し進めた。日常的な授業の中でコンピュータを効果的に活用していくための理論研究と実践,環境作りに全校で取り組んだ。子ども達のコンピュータリテラシーも高まったののは言うまでもないが,職員のコンピュータリテラシーが高まり,コンピュータ活用の可能性が確認できた。

  • 平成8年度:コンピュータの効果的な活用の研究
    ・コンピュータ活用のためのソフトウェア及びコンピュータ室等環境の整備
    ・コンピュータリテラシーの育成
  • 平成9年度:コンピュータの効果的な活用の工夫
    ・授業におけるコンピュータ活用の工夫
    ・コンピュータの教育活動への位置付け
  • 平成10年度:コンピュータの効果的な活用の実践
    ・コンピュータを道具として活用し,思考を助ける手段としての活用がなされた。
    ・インターネットも導入され,児童用コンピュータ全てでインターネットを活用できる環境整備を行う。
    ・授業やクラブ活動,委員会活動などでのコンピュータの活用は,表現の手段としての活用が子ども達の興味や関心,意欲を引き出した。
    ・デジタルカメラの活用も積極的に行われるようになる。
    ・教職員のコンピュータ学習会など,活発な研修が行われた。 

(3)「総合的な学習」への取り組み【平成11年度より】
研究主題は継続し,「総合的な学習の時間」の研究に着手する。
TTの年間指導計画,コンピュータ活用年間指導計画の見直しを行い,教科の指導におけるコンピュータの日常的な活用実践を推進する。念願のホームページも開設し,メールでの他校との交流や報道機関からの取材等,コンピュータの活用の幅が「総合的な学習の時間」の実践により広がりを見せ始める。また,地域や保護者に開かれた学校づくりの一環とした「親子コンピュータ学習会」の開催等の取り組みも始め,情報教育を特色とする学校づくりを推進する。

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