自ら学び生きる力を育てる学習指導のあり方
−コンピュータの活用による教科指導と情報教育の統合を目指した継続的実践研究−


− 要  約 −
 自ら学び生きる力を育てるとは,激しい変化が予想される社会に生きる子ども達が,自ら課題を見つけ,自ら考え,主体的に判断したり行動したりして,よりよく解決することができる資質や能力を育成することである。また,社会の変化に主体的に対応する資質や能力を育成するためには,必要とする情報を自らの判断で集めたり,理解したり,さらには伝達したりするという情報活用能力を育成することが重要であると考える。
 本校の研究テーマは,平成4年度に設定したもので,以来継続研究を進めてきたが,平成8年度,市教委からコンピュータ教育利用の研究委託を受けたことで,情報活用能力の育成のための一つの手段として,コンピュータの活用が有効であると考え,副題を「コンピュータの効果的な活用の実践」として研究を進めることにし,研究仮説を,「授業におけるコンピュータの効果的な活用を工夫し,授業実践することにより,子ども達の学習への興味・関心を高め,自ら学ぼうとする意欲を高めることができる」と設定した。平成11年度からはTTの活用方針の位置づけを明確化し,コンピュータを授業において活用していく実践を進め,研究及び授業実践の日常化を進めてきている。
 コンピュータ活用の目的としては,1基礎的・基本的な内容の確かな定着,2学習課題への関心・意欲の喚起,3課題追究や解決の知的道具,4表現や発表・伝達の効果的道具等,教育方法の改善・充実の手段として授業の中で活用していく。
 つまり,コンピュータを使うことに目的をおくのではなく,学習のねらいにせまるための道具としての活用を図るということである。しかも,教科の指導を充実させながら,コンピュータを活用することで「情報活用の実践力」を高めるということをねらいとして設定し,教科の指導と情報教育の統合を図るということに重点を置いた。また,授業の内容によっては,コンピュータの活用とともに多様な情報手段を選択したり,情報の重要性や情報倫理の問題等にも目を向けさせ,各教科の指導においても情報教育の目的をもった指導を設定していく授業実践を継続的に進めていくことを研究のねらいとした。
 研究内容としては,教科の指導と情報教育のねらいを明確にした位置づけを行った年間指導計画の作成を行い,コンピュータを活用した授業実践を計画的に行う。また,コンピュータリテラシーの育成計画を作成し,1年生から計画的に「情報活用の実践力」を育成していく実践的研究を行っている。
 研究は日々の授業実践を通じて継続中であるが,コンピュータに慣れ,触れ,親しみ自主的・自発的に問題解決に取り組む子ども達の姿や,情報及び情報手段の選択を工夫しながら受け手を想定して”新しい情報”を創り伝える子ども達の意欲が本校の特色となっている。

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