第9回上月情報教育賞 研究論文
 
〜 教育コミュニティの創設・再生・発展を目指すASK-NETプロジェクト 〜
 
 
1.教育再生のための愛知教育ヒューマンネットワーク
 1.1 急がれる教育コミュニティ再生
 現在、学級崩壊・学校崩壊・家庭崩壊等、「崩壊」という言葉が教育界を賑わせている。この「崩壊」の背景には、子どもの教育を学校や家庭だけに任せきりにし、子どもの成長に無関心となった社会がある。学校子どもの様々な興味、関心にこたえ、多様な居場所をつくり、イキイキと育てていく環境を生み出すためには、学校の教師や生徒、保護者だけでなく、地域の市民が教育に関心をもち、必要な時に迅速に協力し合える教育コミュニティを形成することが急務である。
 
 1.2 教育コミュニティを再生していく愛知私学の教育づくり運動
 愛知県の私立高校では、教育作りの展開そのものが教育コミュニティ再生の過程であった。再生というよりも、存在しないところは創設し、現在でも発展を続けている。
 署名運動を原点として始まった私立高校の教育作り運動は、「目の前の生徒を何とか幸せにしたい」といった切実な願いを原動力として、四半世紀の長い年月をかけて発展してきた。生徒が誇りを持ち始め、保護者が息子・娘のために何かできないかと動き始め、教師は「授業改革」が必要だと認識し、市民はサマーセミナーに怒濤のごとく流れ込んできた。その中でお互いの触発が起こり、ヒューマンネットワークが形成されていった。こうして生まれるヒューマンネットワークこそが教育作りであり、教育コミュニティの再生であるといえる。
 
生徒・父母・教師・市民が有機的にコミュニティを形成している
図1 生徒・父母・教師・市民が有機的にコミュニティを形成している