4.3 情報を発信する力の育成
4.3.1 発信する情報に対する責任
情報を受信するときの姿勢とは裏腹に、情報を発信する前段階において情報を作り上げていくとき、そこには情報発信者の意図が入り込む。その意図が強烈であるほど受信者の目にとまりやすく、賛否の反応も強い。逆にそうした発信者の意図が入り込まない情報は、情報として価値は低い。しかし、いかに自らの意見の正当性を強めるためであっても虚偽の情報が含まれてはならない。
情報の発信に先立つ情報の編集の段階で、立場の異なる意見の存在を意識し対比する中で、それと異なる自らの意見を鮮明に打ち出すことが情報を編集する際の視点であることを重ねて指導した。具体的には課題の作成に当たってテーマを決める際に、生徒が持っている価値観とは逆の意見があることを伝え、その意見に対する反論も含めた作品を製作するように指導した。
他人の意見は意図を排除せよといい、自分の意見は意図を明確に出せという。先生の言っていることは矛盾しているような気もするがよく考えれば当たり前のことだった
プレゼンテーションやWebの公開といった情報発信の段階では、そのチェックの最終段階であり、一度発信した情報には絶対の責任が生じ、万が一、誤りがあれば訂正する必要があることなどを改めて解説した。生徒はこれまで、誰かと同じ意見であることが安心感の源泉であったが、この授業を通じて誰の意見でもない自分の意見を構成する力を身につけつつあり、意見の表明に対する責任の意味も理解できてきた。
4.4 情報倫理 へ進む