第5回「エデュテインメント開発研究助成事業」

自学自習補助のための個人適応型   学習支援ソフトウェアの開発



作成するソフトウェアの領域は赤い部分となっています。 上図のように、生徒の結果が次の課題を決定するというフィードバック構造になっています。




具体的なアルゴリズムについて説明します。第一に先ほどの概念図における問題選択ブロックについて説明します。 まず、各問題のレベルは使用者の総回数における平均点を、メンバーシップ関数に代入することにより決定します。 たとえば、満点が20点の課題において、平均点が14点の場合にはメンバーシップ関数に14を代入し、レベル4の問題から70%、レベル3の問題から30%ずつ出題します。



次に実際に出題する問題について説明します。 出題する問題のレベルのうちどの問題を出すかについてですが、各問題には各レベル・カテゴリーの中での出題確率が設定されており、これをレベル・カテゴリー内で、0〜1になるように調整して置きます。 そして、01までの乱数を発生させ、一致したものを実際に出題します。




第二にレベル設定ブロックについて説明します。 レベルの設定は、各問題の正解率と出題回数によって設定されます。具体的には、初期の正解率を0.5、閾値を0.75、最低出題回数を1、問題が出題されるたびに正解し続けたとすると、0.5が0.75を初めて越えたときに下位のレベルへ遷移します。具体的には、上記のように問題のレベルが遷移します。



第三に弱点分野の判断ブロックについて説明します。 まず、学習状況・能力の表示については上述の式を用いて数値を算出します。 この式では、各回の課題における問題のレベルの含有率とその正解率の平均から、現在の使用者の学習状況を知ることができます。




次にカテゴリー別弱点分野については、上述の式を用いて表示させます。 この式では、T回経過したときの各カテゴリーの問題のレベルがどう変化したかを見ています。 この変化が正の場合、そのカテゴリーが苦手であることを示します。


静岡大学教育学部  江口 啓