校内特許データベースを軸にした知的財産権学習と情報活用の実践力の育成 〜中学校技術科「ロボットコンテスト」における試み〜 代表者 土田恭博 |
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【要約】 |
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中学校の技術・家庭科の技術分野(以下技術科)では近年ロボットコンテスト(以下ロボコン)が盛んに行われるようになってきた。ロボコンでは創造工夫の力が重要視されており,創意工夫の力をより伸ばすために,ロボット製作の過程で機構や製作上の工夫などを擬似的な特許として申請する校内特許制度を創案し,長野県の中学校において実践をした。実践の進展に伴い,複数校で特許情報を共有するために,Jr特許データベースを開発した。Jr特許データベースを活用し,体験的な知的財産の学習をすることで,知的財産への意識やアイディアの表現力といった情報活用能力の育成が期待される。 本研究は,校内特許データベースを軸にした知的財産学習をより効果的に行うために,校内特許データベースの改良と作品データベースの開発及びその教育効果の検証を目的とした。前年までの実践分析にもとづき,仕様を検討し,校内特許データベースの改良と作品データベースを開発し,長野県の中学生ロボットコンテスト大会で活用をした。 実践の中では,多くの権利情報が参加各校によって登録され,権利情報を共有することができた。実践校の生徒を対象に調査した結果,知的財産の役目や重要性の理解や創意工夫などに伸びが見られた。表現力については今後の改題である。指導教師を対象にした調査の結果,知的財産の学習に肯定的な評価を得ることができた。 以上のことから,本研究が目的としたシステムは開発できたことと,知的財産を中心とした情報活用能力の育成に効果があったことが示された。今後は,作品データベースの活用を進めると共に,さらに詳細な分析をしていく予定である。 |
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1. はじめに |
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1.1 校内特許実践の概要
校内特許制度とは,ロボット製作の過程で機構や製作上の工夫などを現実の特許と同じように申請用紙で申請させ,特許や実用新案として承認されると権利化されるというアイディアを認め,保護する制度である(図1)。承認された権利は掲示板で公開され,お互いに共有され,広報する制度でもある。他チームがその権利を使う場合は使用願いを提出する義務がある。そしてその権利数が試合のハンディポイントとなり,権利を数多く持つチームが試合をする上で有利となる制度である。またロボット大賞やアイディア賞,特許賞など各賞の選考時にも権利数や内容が考慮される(図2)。アイディアの申請の流れを図3に示す。 平成13年度までの実践は学校内のみで,複数の学校間で情報共有ができなかった。そこでインターネット上に校内特許データベースシステム(以下,校内特許DB)を試作し平成14度の長野県大会で活用したところ,権利情報の学校間共有や生徒の創意工夫の意欲向上,知的財産権の学習への発展などの可能性が示唆された。
1.2 Jr特許DBについて 複数校で権利情報を共有するために,以下の要件でシステムを開発し,Jr特許データベースシステム
(Jr特許DB)と呼ぶことにした(図4)。 (1)インターネットに接続され,Web閲覧ができるクライアントでしようできる (2)ブラウザ上から全ての操作ができる (3)校内特許申請用紙の内容が全て処理できる 「校内特許制度」の実践を基にJr特許DBでの権利情報の流れを図5に示した。教員または生徒により入力された権利情報を,Jr特許DBに蓄積させる。権利情報の承認は参加校の教員が編成するJr特許庁が検討し,Jr特許DBのシステム管理担当教員が承認をする。各校ではインターネットを経由してブラウザで権利情報を閲覧したり,必要な作業を行えたりするようにする。開発したシステムはこれら一連の流れをネット上で実現できるものである。 権利情報のカテゴリは各校単独実践時の権利情報分析から,1)本体に関わるもの,2)リモコンに関わるもの,3)製作に関わるものの3つに分類した。3つの分類をそれぞれを特許と実用新案に分け,計6カテゴリを設定した。実践校教員は,設定したパスワードで権利情報の修正作業ができる。登録作業を経て登録され,承認されると権利情報は一般に公開でき,閲覧・検索することを可能にした。 使用願いが申請された場合,登録ユーザはパスワードを用いて登録画面から使用願いの受理ができ,その結果も一覧に表示されるようになっている。
1.3 情報教育と校内特許実践
校内特許実践の中で,Jr特許データベースを活用する中で,生徒達は新しいアイディアを発想し,図や文章で表現しなければならない。さらに発信する権利内容の吟味がされ,同時に既に登録されていないか,類似の権利はないか検索し,検討するといったことが必要になる。これら学習過程の中で,情報の表現や収集といった情報活用の実践力が養われていく。また本システムはオリジナリティの高いシステムであると同時に,ロボコン以外にも応用可能な可能性があり,実践場面を様々な分野に広げられることが期待される。 以上のことから,校内特許制度を軸とした知的財産の学習で育成できる情報活用の実践力および情報教育に役立つこととして以下の3点を決め出した。 (1)「情報活用の実践力」の育成について ・新しいアイディアを発想し,表現することについての関心・意欲 ・イメージしたアイディアを図と文章で表現する表現力 ・アイディアを改良したり,発想したりするために必要な情報を収集する収集力 ・データベースに登録したり検索したりするデータベースの操作および検索技能 (2)「情報社会に参画する態度」の育成について ・知的財産権の重要性についての理解 ・知的財産の仕組みについての理解 (3)情報教育に役立つシステムやカリキュラム ・アイディアや作品などの学習情報を蓄積・共有できるシステムの開発 ・体験的・実践的な知的財産学習のカリキュラム |
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2. 研究の目的と方法 |
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2.1 研究目的 校内特許データベースを軸にした知的財産学習をより効果的に行うために,校内特許データベースの改良と作品データベースの開発及びその教育効果の検証を目的とする。 2.2 研究方法 長野県でロボット製作学習に取り組み,長野県中学生ロボットコンテストに参加する中学校を対象とした。平成15年度までの実践を元に,システムの改善点を決めだし,新しく開発するシステムと共に仕様を検討する。仕様に基づいてシステムを開発し,長野県中学生ロボットコンテスト大会の実践で活用し,登録状況の調査や生徒および指導教師を対象とした調査で教育効果を測定する。 |
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3. システムの開発 |
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3.1 Jr特許データベースの改良点 平成15年度に申請された特許と実用新案の内容をカテゴリに分け分類した(表1)。 アイテムの取り込み(特許2,実用新案21)と移動(特許5,実用新案10)が競技に直接変わる部分でもあり,最も多かった。また,アイディアを申請する際に「特許」と「実用新案」の2本に分けていたが,両者をどこで区別するかという明確な線がないために,実践者の中でも判断に迷い,生徒にとっても理解しにくいものであったという意見があった。校内特許DBについても「画像ファイルの日本語名の処理」「カテゴリの細分化」など改良に関する課題が何点かあげられた。 さらに,「承認情報の詳細を知りたい」「機構部分なので,可能であれば動画も参考にしたい」という実践者からの要望も多数あった。これらを元にJr特許DBをさらに改良する必要性があり,動画も含む作品データベース(以下作品DB)の構築も重要であると考えた。また作品データベースは,Jr特許のデータベースの権利情報が反映されている場合が多いことからも,データレベルで連動して相互参照できる必要があると考えた。 以上のことからJr特許データベースの改良には以下の4点が必要であることが明らかになった。 (1)画像ファイルの日本語名の処理を可能にすること (2)カテゴリを再検討し,細分化すること (3)できあがった作品を動画も含めデータベース化する作品DBが必要である (4)校内特許DBと作品DBはデータレベルで連動して相互参照できること 表1 平成15年度の権利情報の内容分類
3.2 システムの運用法の検討 平成16度の研究に先立ち,平成15年度に用いていた校内特許DBや15年度の実践をまとめ,研究助言者と共に学会で発表を行った。 発表時の質疑では,校内特許DBについて高い評価を受けると同時に,現実の特許ではクレーム処理が重要であるが,その点はどうか,といった質問もなされた。 これらを元に,平成15年度の実践も評価しながら,平成16年度の運用法について検討をした。 平成15年度の実践を検討した結果,以下の3点が明らかになった。 (1)権利数と試合のハンディポイントを連動させることは,生徒の出願意欲向上に有効である (2)実践者と別に担当者を置き,大会直前まで申請を受け付けられるようにする必要がある (3)権利の審査基準をより明確化,共通化する必要がある 権利数と試合のハンディの関わりについての(1)の知見から,時間内に相手のコートにできるだけたくさんのボールを送るという平成14度の競技「Panic Ball 13」から,よりハンディが明確になるという点も考慮し,3つのシーソーに2種類のアイテムを載せていき,時間内にたくさん傾けた方が勝ちという「Panic Seesaw 3」(図7)という競技に変更した。競技自体を変えることで,新しい発想が多く生まれることも期待した。 (2)の知見から,Jr特許DBに投稿があると,実践者のメーリングリストに転送され,研究助言者にも参加してもらい,全員で意見交換しながら,最終判定を研究助言者にしてもらうことで申請作業の〆切を延ばすことにした。 (3)については平成14度の権利情報を整理し,現実の特許裁判の判例のように,具体例を参考にしながら,特許と実用新案を区別していく方向で検討をした。 ( http://www.n-robo.com/kcn/index.html
) 3.3 システムの開発 システムの改良に必要な要件は以下の4点であった。 (1)画像ファイルの日本語名の処理を可能にすること (2)カテゴリを再検討し,細分化すること (3)できあがった作品を動画も含めデータベース化する作品DBが必要である (4)校内特許DBと作品DBはデータレベルで連動して相互参照できること この要件にもとづいて研究助言者の技術協力のもと,Jr特許DB Ver.2を活用することになった(図8)。 (http://www.n-robo.com/tokkyo/pub/index.php) Jr特許DB Ver.2 と作品DBのシステムの開発には,Perlよりもサーバ負荷が少ないことから,PHPを用いた。データベースはVer.1ではテキストデータであったが,処理速度を向上させるためにMySQLを用いた。サーバはVer.1と同じ環境の民間のレンタルサーバ(Red Hat Linux2.4.27,Apache1.3.33)を用いた。 基本的な処理はVer.1と同じであるが,PHPで再設計した際に日本語のファイル名にも対応させ,文字化けば起きて読み込めないエラーに対応した。 カテゴリについては,異なった競技にも対応できるシステムとなるように競技と直接関わる部分を細分化しカテゴリを再編成することで,今後増え続けていくであろう特許に対応させた(表2)。 Jr特許DB Ver.1では「本体に関わる」「リモコンに関わる」「製作に関する」のカテゴリに分類し,特許と実用新案を分けていたが,Ver.2では実用新案と特許を一本化し,カテゴリを以下のように設定した。 「取り込み」「放出・移動」「耐久性・信頼性」「メンテナンス」「操作性」「素材・部品」「その他」 「各カテゴリの抽出」や「申請順並べ替え」,「アクセス順並べ替え」も容易であることに加え,「キーワード検索」機能も付加している。 新たなカテゴリにより,異なった競技に対応するJr.特許のデータ蓄積・検索が可能となった。 また,blog やその周辺技術に対応させることで,情報が自動で体系的に整理され,情報同士やインターネット上のその他の情報と双方向で有機的に連携するシステムへと発展させた。 表2 カテゴリの再編成
できあがったロボットの各機構の仕組みや動きを伝え,作品情報を共有するためにJr特許作品データベース(以下作品DB)を新規に開発した。Jr特許DBに機能を追加していくことも考えられたが,申請する際に煩雑になる得ることや閲覧時に複雑になる可能性,知的財産権の疑似体験の意味合いが薄れることも懸念された。そこで,Jr特許DBは1枚の画像と必要なコメントにてアイディアを申請することで知的財産権の学習が可能なことを重視し,実践者からの要望でもある承認された特許情報の詳細は作品DBを設置し,新たなデータベースとすることにした。 作品DBでは,承認されたJr特許データと連携させる必要があり,投稿できるデータを増やすこと,動画も投稿できることが必要となる。また,独立したデータベースとして活用も視野に入れ,カテゴリを設定したり,検索機能を付加したりさせた。 これらより,以下のように設定した。 登録可能画像数 : 3(GIF及びJPEG画像/100KB以内で) カテゴリ : Jr特許DBと同様 コメント : 全角200文字以内で 動画数 : 1(mpg、avi等/500KB以内で) 動画の説明 : 短文 動画のサムネイル画像 : 1(GIF及びJPEG画像/100KB以内で) Jr特許DBとの連携 : トラックバックを活用 2つのデータベースの登録項目を表3に示した。作品DBはJr特許DBのスクリプトを活用し,動画や複数画像への対応の改良を行った。 特許データは,課題と解決手段を文章で記述することを大切にし,説明の図またはデジカメ画像1枚とした。作品データは,図またはディジタルカメラ画像を3枚とし,動画も可能とした。動画は特許データベースとの連携を考慮して設定されており,承認された特許データを確認できることをねらった。カテゴリはどちらも同じ設定とすることで,登録時の混乱を防ぎ,製作時の検索効率をあげることをねらった。 2つのデータベースの連携には,インターネット上の日記として普及してきているblogに用いられているトラックバック機能を実装させた。トラックバック機能を実装することで,2つのデータベースがデータレベルで連動し,お互いに参照できるだけでなく,トラックバック機能を持った外部のblogシステム等との連携も可能になる。 2つのデータベースの連携のイメージを図9に示した。データ例を図10,11に示した。どちらのデータにもコメントを送ることがでる。特許データには使用願いを申請することができる。両者の連携及び外部のblogシステム等と相互にトラックバックすることで,より有機的な連携を広げることができると考えている。 表3 Jr特許データベースと作品データベースの登録項目一覧
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4. 実践の分析 |
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4.1 実践の概要 平成16年度の長野県中学生ロボットコンテスト(N-robo)を実践するにあたり,前述(3.2 システムの運用法の検討)の平成14年度の実践を検討した結果,明らかになった(1)権利数と試合のハンディポイントを連動させることは,生徒の出願意欲向上に有効である,(2)実践者と別に担当者を置き,大会直前まで申請を受け付けられるようにする必要がある,(3)権利の審査基準をより明確化,共通化する必要がある,の3点を考慮し,競技等を再設定した。 (1)の知見から,3つのシーソーに2種類のアイテムを載せていき,時間内にたくさん傾けた方が勝ちという「Panic Seesaw 3」(図7)という競技から,競技自体を変えることで,新しい発想が多く生まれることも期待し,「Panic Ring」(図12)というコート上のリングを棒に掛けるという競技を考案した。今までの競技よりも難易度がやや高く,ハンディポイントの有効性を高く感じるものとした。 (2)の知見からは,過去の実践経験者の中から当該年度参加不可能である担当者を置くことにした。申請はメーリングリストに転送されるので,勤務地に関係なく承認することができるため,海外勤務者とした。また,(3)の知見から担当者を1人とした。当該年度の実践者であればコンテストの準備やロボット製作支援に追われ,1人で締め切り間際の多くの申請を承認していくことに無理が生じると考えられるが,直接コンテストに関わることができない海外勤務者であれば可能であると判断した。さらに,画像と簡単な文章で申請特許の内容を海外に伝達しなければならないという実践は,情報活用能力の育成にも結びつくと考えた。 4.2 実践例
対象は中学校2,3学年で年間の授業時間数は2学年が70時間で,3学年が35時間であった。 A中学校では,2年生は2時間続きで週1回,3年生は1時間で週1回の選択教科「アイディア1stロボットコンテスト」を開設している。ともに30人を超え,17チームで取り組んだ。2年生は初めての取り組みであり,3年生は2年生から継続しての経験者が半数を占める。長野県中学生ロボットコンテスト大会への参加を前提とし,「パニックリング」に参加するロボットをチームで創造した。 好きな人や気の合う人とチームを組みたいと願っていた生徒も多くいたが,くじ引きでチームを編成し役割分担や協力によってロボットの製作にあたった。自分は友達と協力したり一緒に作業したりすることは好きな方だという感想をもった生徒は半数以上いた。 ものづくりやロボット技術に対する興味関心は,この講座で学ぶことで以前よりも高くなり,伸長したようである。 受講者全員が特許を申請することはできなかったが,Jr特許申請者は「アイディアを文章で表す力」や「アイディアを図で表す力」が申請することによって身についたと自己評価していた。また,申請することによって他チームの申請に対しても同じような苦労があり,大切なものであるという意識がもてたことや,Jr特許DBにて公開され,長野県大会で実物のロボットを見たことは「他の人のアイディアを尊重する態度」が育成されたようである。 3年生チーム『TEKITO-2』(図13)の様子を紹介する。 長野Jrロボコン経験者を含むこのチームは,男子3人女子1人で組織されている。その内の1人は立ち上げ当時,「1人で製作したい。全ての役割を1人でこなしたい。」と考えていた。しかし,同じ講座内から「それは良くない。くじ引きのチームで製作するというルールは守ろう。」と意見され,チームで活動することとなった。 経験者が含まれていたためか,Jr特許制度に意欲的に取り組んでいた。構想を練る段階から申請用紙を請求してきた。申請用紙に記入し,提出までしてきたが,「実物ができるまでは預かっておく。」ということにし,様子を見ていた。最終的にその申請されたものは形になることがなかった。 ミーティングを重ね,作業分担しながら作業が進み,ロボットの形が見え始めた。特許出願のことは考えていたようではあるが長野Jrロボコン県大会間際までは実際に申請され ることはなかった。 申請したきた発明は,「ズレない!しょんぼりどめレール」「がんばリフト」「プラダンまき。具はスタイロフォーム」の3点であった。 【名称】「ズレない!しょんぼりどめレール」(図14) 【課題】 重みで得点用の棒が下を向いてしまい, リング(競技アイテム)をかけても落ちてしまった。 【解決手段】 一年生が使っていた技術・家庭科の教材の シャッターのパーツを使い,それをくいとめた。 それによりリングの脱落を防いだ。 【名称】「プラダンまき。具はスタイロフォーム」(図15) 【課題】 軽量化を図り,スタイロフォームを使用したところ, リング(競技アイテム)をかけたときにしなり, おれそうになり,リング(競技アイテム)も ずりおちてしまった。 【解決手段】 プラスチックだんぼーるをまきつけ,補強。 軽量化を保ちつつリング(競技アイテム)をかけても しならず丈夫になった。 【名称】「がんばリフト」(図16) 【課題】 かたよりでリング(競技アイテム)がとれたり, 得点ができないこと。それと高さ不足 【解決手段】 前タイヤに注射器を取り付け, かたよりを無くし,高さを補う。 この3点の申請特許には共通点がある。その共通点とは,明確な課題があることであり,その課題は一度製作し終えてから発生したものであるということ。自分たちで予定していた製作は終了したが,思うように動作しないという事実に直面し,何とか解決したい課題が発生した。そこでチームでアイディアを出し合い,ミーティングを重ね,分担作業し,課題を解決することができたのである。 11月19日の長野県大会には184チームのうちの1チームとして堂々と参加した。自分たちが参加することを楽しむと同時に,他チームのロボットに高い関心をもって見学していた。 まとめの学習として,作品DBへの投稿も行った。 (図17,18)
長野Jrロボコン・Jr特許制度に取り組み,申請を経験することで,特許への関心を高め,他の人のアイディアを尊重する態度が育成された。また,仲間と協力して課題を解決する力を育成し,ものづくりやロボット製作への関心や意欲を高めることができた。 特許のキッカケとなる課題の発生は,生徒たちの予定による製作が終了した後に設定されるということがこのチームから示唆された。実際の製作前の構想しているときのアイディアを実現させるのは大変難しいことと考えられる。このチームは製作後の課題解決が特許申請に結びついたが,構想時からのアイディアが申請に結びつく場合もある。それぞれのチームに適した課題設定箇所を支援する必要がある。生徒の感想を紹介する。
4.3 特許情報の登録状況の調査 平成17年度の校内特許申請数を表4に示した。特許申請は77件。うち特許庁から「承認」されたものが69件であり,最も多く特許を申請して認可されたチームは5件(2チーム)であった。本年度は「長野Jrロボコン特許庁」をロンドンに設置した。生徒のアイディアはWebを通して平成17年4月からロンドン日本人学校に勤務している前年度実践者教師に送られ,時差9時間,距離にして1万キロを超えて中学生のアイディアは審査・承認された。 遠く離れた相手に自分達のアイディアを遠く離れた相手に正確に伝えるため,従来のイラストや設計図に加え,ディジタルカメラや動画を駆使して「相手に伝える」工夫とともに,距離と時間を越えるネットの利便性を中学生は実体験として学ぶこととなった。アイディアを正確に伝えるために本年の申請をみると「ディジタルカメラ」で撮影されたものが多く(55件),製作前のアイディアスケッチや設計図による申請(14件)をはるかに上回る数字となった。Jr特許制度が本格的に始動したのも遅かったこともあるが,一番の理由は遠く離れたロンドンにある特許庁へ正確にアイディアを伝えるため,そして簡単に伝えるためにも,イラストや設計図よりデジカメで撮影した静止画が確実だろうと生徒は考えたようである。確かに,正確に伝えるため,スピードを重視すると完成したものをディジタルカメラで撮影した静止画や動画が適していると思われる。しかし,アイディアを具現化するためにも,少なくともチーム内での意思疎通が必要になってくる。この世にないものを創りだすためには,言葉や図で伝えることが必要であり,「この世にないものを伝える力」は今後の重要なキーワードとなってくるであろう。そのためにも,Jr特許制度を活用していくことは「アイディアを伝える力」の育成につながるであろう。 以上のことから,Jr特許DBVer2を実践の中で活用することができた。 作品DBについては,初めての取り組みだったこともあり,6件の登録のみに留まった。今後は作品DBの活用が課題である。 表4 平成17年度の校内特許申請数
4.4 生徒の調査 4.4.1 調査対象と調査 Jr特許実践校の履修生徒を対象に質問紙調査をおこない,Jr特許実践の教育的効果と課題についてあきらかにすることを目的とし,ロボット製作学習でJr特許実践をおこなった長野県において,平成17年度の県大会に参加した生徒を対象にヒアリング調査を実施した。平成17年11月19日に開催された第4回長野県中学生ロボットコンテスト大会において,大会参加生徒を対象にヒアリング調査を実施した。質問はA.基本情報,B.実践情報,C.意見の3点について作成した。実践情報の中では,知的財産学習で育成できると考えられる情報活用の実践力や情報社会に参画する態度に関連した質問項目を設定した。 4.4.2 調査結果と考察 13校30名から回答を得た。基本情報を表5,6,7に示した。特許申請は77%の生徒ができていた。申請できなかった理由は時間の無さであった。また特許DBについても半数以上の生徒が使用経験を持っていた。伸びを自覚した項目を表8に示した。「他チームや他校の特許が参考になった」について56%の生徒が肯定的な評価をしていた。「特許の取り組みは面白かった」については82%の生徒が肯定的な評価であった。「現実の特許に興味を持った」「現実の特許の仕組みが分かった」についてはそれぞれ65%以上の生徒が肯定的な評価をしていた。「特許の大切さを感じた」においては91%の生徒が肯定的な評価をしていた。 先進的と考えられている長野県の生徒を対象に調査を行った。長野県中学生ロボットコンテスト県大会に出場してきた生徒であるために,どの項目も肯定的な評価を得ることができ,知的財産の仕組みや重要性を理解できたといえる。 複数校で特許情報を共有し,県大会の場でお互いに見あえるような実践を積み重ねていくことの教育的な効果を示していると考えられる。反面,図や文章で表現することについては,低い結果であったことからも,課題が残った。
4.5 教師の調査 4.5.1 調査対象と調査 Jr特許実践を行っている長野県の教員を対象に質問紙調査をおこない,特許実践の取り組みの状況と課題についてあきらかにすることを目的とし,調査を行った。長野県中学生ロボットコンテスト大会に参加した指導教員を対象に調査を依頼し,平成17年11月19-20日の間に実施した。 調査は,質問紙を配布して記入してもらい,大会中および終了後に回収をした。質問はA.基本情報,B.実践情報,C.意見の3点について質問項目を作成した。また実践情報の中では,知的財産学習で育成できると考えられる情報活用の実践力や情報社会に参画する態度に関連した質問項目を設定した。 Jr特許実践の効果については,Jr特許実践によって特許情報を共有することにより,他校からのアイディアが刺激になったり,他の特許情報を参照することで,アイディアが深化されたりする効果があると考えられていることが明らかになった。生徒の変容からもJr特許の実践により,特許の重要性に気がついたり,開発に意欲がわいた,特許化を試みられるようになったりと工夫を生み出そうとする姿勢が出てきたことは評価できるであろう。 4.5.2 調査結果と考察 15名から回答を得た(有効回答15)。10名は本年度初めてまたは2年目の指導歴であった(表9)。指導時間は3年生の選択が8名と半数を占めた。また部活動で,あるいは選択授業と部活動でという取り組みも7校であった。必修授業では実践されていなかった(表10)。 Jr特許制度の紹介は11校が行っていた。説明時期は初期または製作の開始が7校と半数であった(表11,12)。現実の特許制度の説明については半数以上の8校は行っていなかった。出願生徒は5校であった(表13,14)。出願できなかった理由で最も多かったのは,製作に追われ時間的な余裕がなかったことを8校が上げていた。また指導ノウハウの不足についても3校が上げていた(表15)。Jr特許データベースは半数の8校で生徒も使用していた(表16)。 Jr特許実践の効果については14校とほとんどが肯定的な評価であった(表17)。その理由として他校の特許が刺激になったことやアイディアの深化,意欲,認められることへの自信などがあげられていた(表18)。また特許情報の共有についても14校が肯定的な評価であった(表19)。理由でも創意工夫の伸張や他校からの刺激があげられていた(表20)。また「 特許を使うのに手続きが必要なので、意識が高まる」「 知財を守るだけでなく、広め深める手段であることを体験できる」といった効果も上げられていた。 現実の特許の理解は13校と肯定的な評価が大半を占めたが,かなり役立つと答えた教員は4名に留まった(表21)。生徒の変容では特許の重要性が3名,開発への意欲が2名であった(表22)。 感想や要望の自由記述では「本年度はできなかったが来年は是非参加したい」「とても良い制度」といった肯定的な意見が多かった。反面「特許と実用新案の区別が無くなり,特許内にレベル差ができた」「写真での表示が分かりにくい」といった意見も寄せられた。 以上のことから,運用や表現に課題は残ったが,本システムを活用した知的財産の学習は,本研究で意図していた情報活用の実践力や情報社会に参画する態度の育成に有効であると多くの教師が捉えていることが明らかになった。
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5. まとめ |
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本研究は,校内特許データベースを軸にした知的財産学習をより効果的に行うために,校内特許データベースの改良と作品データベースの開発及びその教育効果の検証を目的とした。実践の分析の結果,以下のことが明らかになった。 (1)目的とした校内特許データベースの改良と作品データベースの開発ができた。 (2)生徒による調査の結果,創意工夫する力やアイディアを尊重することなど,知的財産に関わる部分では伸びが認められたが,アイディアを表現する力については課題が残った。 今後は,大会での登録された権利情報を元に,動画DBを構築し,学習のまとめとして各学校で登録をしていく。生徒達の変容を事前,途中,事後の調査で分析していく。またアイディアの表現力向上についても研究を深めていく予定である |
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終わりに |
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本研究を進めるに当たり, 財団法人 上月スポーツ・教育財団さまの第12回上月情報教育研究助成を頂きましたことを 深くお礼申し上げます。 |
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引用文献 参考文献 1)森政弘:ロボコン博士のもの作り遊論,オーム社, pp.154-200,(1999). 2)村松浩幸:生徒達のプロジェクトX−チーム学習で取り組んだロボコン−, 第17回東書教育賞入選論文集A部門(教科指導・学校経営部門)・中学校,pp.30-27,(2001). 3)知的財産研究会編:創意工夫の育成と評価―Jr特許実践の教師用手引き書―, 三重大学教育学部村松研究室,(2006). 4)松岡守:研究代表者,平成15年度受託研究,大学教育学部向け知的財産教育研究調査報告書, pp.4.1. 1-1-4.1.7-6,(2003). 5)長野県Jrロボットコンテスト実行委員会事務局, 平成16年度長野県中学校ロボットコンテスト大会要項,(2004). ・長野県2004年版Jr特許集 長野県技術・家庭科教育研究会 ・長野県中学生ロボコン事務局ホームページ http://www.n-robo.com/ ・長野ロボコンJr特許データベース http://www.n-robo.com/tokkyo/pub/index.php ・長野ロボコンJr作品データベース http://www.n-robo.com/sakuhin/pub/ ・特許資料室(校内特許庁in NAGANO) http://www.n-robo.com/kcn/index.html 関連論文 学会発表 1)村松浩幸・安松大介・土田恭博・稲垣 忠, 「校内特許データベースを用いた校内特許制度の運用と評価」, 日本教育工学会第20回年会,2004 2)村松浩幸・稲垣 忠・土田恭博, 「中学生ロボットコンテストにおける校内特許データベースシステムの開発」, 日本産業技術教育学会第47回講演講演要旨集,pp48,2004 3)村松浩幸・土田恭博・稲垣忠, 「中学校ロボットコンテストにおけるJr特許データベースシステムの開発」, 日本産業技術教育学会第47巻4号,pp281-287,2005 4)村松浩幸・安松大介・土田恭博・稲垣 忠, 「Jr特許データベースを用いたJr特許制度の効果的運用法の研究」, 日本産業技術教育学会第48回講演講演要旨集,pp3,2005 実施場所 長野県関係諸学校(主に公立中学校) 分担者 守屋竜彦( 飯野敏行( 原 正人(長野県長野盲学校・教諭) 太田考一( 野沢重徳( 田畑卓朗( 林 孝一( 千種周嗣( |
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