生徒会主体の学校間交流の成果



1 三重県亀山中学校との交流(平成9年度〜)
  江戸時代,伊勢亀山の藩主・板倉氏と,備中松山(現・高梁)藩主・石川氏が相互に に配置替えとなった。この時,家来や
町衆も移住しており,高梁と亀山にはお互いルー ツをもつ人も多い。こうした歴史的な縁をもとに10年前,両校の姉妹校縁組み
が成立 し,交流が始まった。
 しかし,当初は活発であった交流も数年経つと,入学式,卒業式で祝電を送る程度の形 式的なものになった。そこで図13の
ようなインターネットの電子メールや交流Web ページを活用した新しい交流を始めた。
亀山中生徒会の皆さんへ 
高梁中学校生徒会本部です。僕たちは5月の
中間テスト後,生徒総会の準備におわれました
が,数年来の良い生徒総会ができました。
 亀山中学校との交流については,本部役員7
人だけでなく,交流を深めるため3年の学級委
員10人もいってはという意見がでました。

                図13 三重県亀山中学校との交流Webページと電子メール
 インターネットによる交流を進めていく中で,生徒はお互い似通った町(城下町,人口)で歴史的な縁にも興味をもち,生徒会本部
を中心に交流の機会を望むようになった。そして平成 10年8月,生徒会本部を中心に生徒 26人と教員6人で亀山中学校を訪問する
ことができた。同年 12月には,亀山中学校の 生徒が本校を訪れ,相互訪問が実現した。  
 高梁と亀山の間は,電車で片道5時間かかる。両校の距離をうめて,コミュニケーションの窓口となったのは,インターネットであった。
  

2 生徒会主体の情報交換(平成10年度〜)
  生徒会活動の活性化を目的に,平成 10年度からは文化祭,校則
 をテーマとした県内外の中学校との電子メールによる意見交換,情
 報交換を積極的に行っている。(図14)
  受信したメールは生徒会掲示板や生徒会新聞を通じて全校生徒に
 伝え,参考となる他校の意見は,生徒総会の場でも取りあげている。
 以下は県外の中学校からの受信メールである。   


 図14 本校生徒会発信メール





初めまして 東京の○○中学校生徒会です!
<校則>○○中では、3年前からセーターの使用許可があり、着用しています。また、鞄については
 長い検討の末、今年からデザインが変わり、スリーウェイバッグになりました。頭髪の自由化やヘ
 アピンなどの使用については、現在は不可です。
校則の問題は、とても難しいものだと思います。みんなが「あーしたい、こーしたい」といって
 すぐに許可するようでは、きっと学校本来の意味がなくなってしまうと思うのです。しかし、だか
 らといって、ぜんぜん希望がないわけではありません。生徒や先生方の意見を出し合い、1つ1つ
 の問題をよく話しあった上で、解決していきたいと思っています。
 こちらからも質問をしていいですか?頭髪の自由化や、ヘアピンの使用許可は、どのようにして
 おりたのですか?○○中の生徒会ではリサイクル活動に力を入れているのですが、そちらではいか
 がですか?具体的に教えて下さい。それでは、今後も、お互いにがんばりましょう!
こんにちは。愛知の○○中です
○○中では、2日間あった文化祭が1日に減ってしまいました。そのため内  容も減って,今では、
毎年だいたい次のパターンで行われています。
 午前 ステージ発表オープニング 郷土芸能 
   学区に3つの伝統的な郷土芸能が残っており、3年ローテで行っています。  他には...
  ・ 学区の方を講師に招いて行う講演会   ・ 3年選択音楽の生徒による合唱の発表
  ・ 3年選択音楽の生徒による合唱の発表 ・ ブラスバンド部の発表
  ・ 生徒会の時間−企画を公募して審査にパスしたものが発表。
  ・ その他,選択国語の発表や英語部の劇など年によって異なる。
  ・ 幕間の準備時間に,生徒会がミニゲームやクイズをしています。
 午後 体験講座
  ・ 学区にお住まいの方を講師に招いて、受講する。
   大正琴、エアロビクス、ギター、坐禅、手作り和菓子、点字、手話、スポーツマッサージ,
   護身術…などなど、毎年20数講座です。
本校生徒会役員の生徒の返信文
 DEAR ○○中学校生徒会のみなさんへ
  お返事ありがとう!メール読みました。他の学校の様子について知ることができて,すごくうれ
 しかったです。皆さんの教えてくれたことを高梁中学校でも活かせるようにしていきたいです。そ
 れから質問の答えを書いたのでぜひ読んでください。
 <おもしろい行事>
  年に二回ぐらい,クリーン友の会というクリーン行事を行っています。高梁市内や学校周辺にあ
 るカンやビン,ゴミなどを拾って,高梁の町をきれいにしようと多くの参加者と頑張っています。
 だいたいは土曜の午後から行います。部活を休んで出てくれる人もたくさんいて,とても活発な行
 事になっています。

  以上のような本校の校内研究の発信と生徒会主体の学校間交流について,図17のよ うな新聞記事の掲載をいただいた。平成9年
当時は,学校Webページを発信するだけ でも県内版の記事になっていた。しかし,その後そのWebページがどのように運用さ れ,ど
のような成果が上がったかについての記事はほとんど見られなかった。
  そうした点で,この記事は学校Webページ発信後の教員と生徒それぞれの成果や問 題点についてふれてあり,大変意義あるもの
と考える。
図15 本校のWebページの紹介記事(山陽新聞  平成9年9月20日朝刊)


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