長崎平和学習プロジェクト(平和学習) (平成10年度,対象第3学年) 



 平成10年度は,修学旅行を核として,事前・事後の学習を合わせた「長崎平和学習プロジェクト」(図21)を実施
した。この学習では,ビデオや図書の書籍類など従来の情報メディアを生かしながら,長崎大学附属中学校とのメ
ール交流など,インターネットの双方向の部分を生かした。
 図 22のWebページからは,豊富な写真資料と説明,「Vivo Active Player 」によって被爆者の方のお話まで聞
くことができるNBC長崎放送のページが活用できた。原子爆弾についての説明から,投下以前の長崎市の様子
や熱線や爆風・放射能による被害を詳しく掲載している。修学旅行で資料館を見学したり,被爆者の方のお話を聞
いたりする事前学習として活用できた。
 また,長崎大学附属中学校とのメール交流では,本校の生徒がメールで質問し,長崎の選択社会科の生徒が回
答した。メール交流による楽しさを味わわせるため,最初は質問内容も自由にしたので土産物や観光に関することか
ら始まった。しかし交流を続けていくう ち,平和学習に関連し,内容も深まった。

図21 長崎平和学習プロジェクト                  図22 NBC長崎放送のWeb


<長崎大学附属中学校・選択社会履修の生徒→高梁中学校3年生徒>
○修学旅行生の長崎でのマナーについてどう思いますか。(高梁中生徒)
>本当にぴんからきりまでです。せっかく来たんだから,調べたことを生かして長崎の人に話しか
 けたりしながら,いろいろな思い出を作って欲しいです。一つだけお願いしたいのは,原爆資料
 館や平和公園は特別な場所だということを考えて欲しいということです。(長崎大学附属中生徒)

○原爆のことをどう思いますか。何か学校で取り組んでいる活動がありますか。(高梁中生徒)
>原爆は二度とあってはいけないと頭で分かってもだめだと思います。感情も含めてだめだという
 気持ちをもつため,つらくても被爆者の苦しみに目を向け耳を傾けて欲しい。学校では,夏休み
 に被爆者への聞き取りやレポートづくりなどに取り組んでいます。(長崎大附属中生徒)

○原爆のことを「頭じゃなく,感情で」というのがとても分かる気がしました。被害の大きさがど
 んなに分かっても,被爆者からお話を聞いて,苦しみが分からなければ意味がないと思いました
○「決してつらくてもその(原爆の)事実から目をそむけないで」「特別な場」。特に平和公園で
  のマナーはきちんとする。長崎の人たちに二度とくるなといわれないよう。(高梁中生徒)

 
 長崎大学附属中学校とは,メールによる質問でお世話になったので,お返しとして長崎での修学
旅行の様子や爆心地での平和集会の様子などをWebに作成した。こうして初めて,インターネット上
での発表(図23)ができた。さらに翌年には,平和学習をテーマにNTTのテレビ会議システムを利用
した新たな交流(図24)につなげることができた。

     図23 Web上で発表・交流                  図24 テレビ会議システムでの交流


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