1 実践の概要
江東区立南砂東小学校(平成12年4月 統合により南砂小学校となる)は東京の都心に近い大きな団地の中に位置している。まわりはコンクリートで囲まれ,田や畑はない。一方,交流相手の石川県徳田小学校,鳥取県賀露小学校は,田園地帯にあり,父兄に農家の方も多い。この環境の異なる3校でお米作りを行い,ホームページやテレビ会議による意見交換を通して,人と環境とのかかわり方を様々な方向から見つめていかせる学習を展開した。ここで生じる地域差は,そのまま生産者と消費者の立場の違いになり,環境へのかかわり方の違いになる。この違いに気づき,どうしていったらよいのか,お互いが考え,意識を高め合っていくところに交流の目的を置いた。
環境教育は,一概に答えのはっきりと出るものではない。だからこそ,今まであまり意識されなかった「相手のいる学習」を進め,別の立場から環境に対する見方や考え方を深めていく必要がある。ネットワークを利用した討論を中心に,インタラクティブな授業を目指したのが本実践である。