小学校における情報モラル育成教材の開発
−学校インターネット教習所の取り組みから−
埼玉県熊谷市立籠原小学校 教諭 関根達郎(熊谷教育工学研究会) |
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概要 学校現場にインターネットが導入された。子供たちは、それを使って、種々の情報を収集し「調べ学習」をしようとしている。だが、インターネットの利用は利点ばかりではない。インターネットから得るデータや情報を鵜呑みにして信用したり、学校から直接不特定多数の外部の人たちと触れる機会をもてたりすることから、必ずしも安全だとはいえない。また、情報発信を容易にすることができ、その便利さから、他人の著作権を侵害したり、情報の安易な盗用が行われたりする可能性が高い。インターネットはメディア操作の方法の習熟と、情報モラルを身につけ、正しく使おうとする態度気持ちの両方を身につけて使わせていきたいと考えた。「学校インターネット教習所」は技能と知識・態度の育成のために設置した。全部で8時間の課程を設定した。「学科」(理論、概論、モラル等)4時間と「実技」4時間にわけ、操作だけでなく、使うマナーを身に付けて、インターネットを有効に正しく活用できると考えた。
この教習所では、学科はすべて点数8割以上、実技は自分一人でできた時点で合格になる。その合格者に「学校インターネット免許証」が配布される。免許が取得できた児童は、「学校インターネット」を利用できる。校内で総合的な学習の時間の充実を図れるだけでなく、各教科中の学習でも活用できる。実技と知識・態度育成のパック教材である。
本実践を通して「免許証」が取得できるという動機付けは効果的であった。小学校中学年児童はインターネットに関して、大切な免許をとったから、なくさないように、ルールを守って使うような意識を持つことがわかった。インターネットを使った調べ学習でもインターネット導入時の指導がこれから情報社会で生きていく子どもたちの規範意識をつくっていくのではないかという感触を得た。インターネット教習所の取り組みを2年間にわたり実践し、さらに汎用教材としてweb教材「調べ学習の絵本」を作成した。
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